こんなことが信じられるか? 1980年 中国が日本に防衛力強化を求めていた
・1980年 中国は日本に防衛費の増を求めた。
・「日本から侵略があるとは思っていない」と主張。
・それも大平首相の靖国参拝直後に発言している。
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最近、日中関係は少々安定しているように見える。
少なくとも表立って日本を批判していないように思う。
これは中国経済の減速と関係あるのかもしれない。
そして習近平政権の安定と関係あるのかもしれない。
色々考えられるが、
今と比べ物にならないほど日中関係が良好だった時代があった。
それは1980年代前半であった。
◎防空力強化要請!
1980年4月から5月にかけて、日本の国会議員で、
のちの首相、中曽根氏が中国を訪問した。
中曽根氏は当時無役であったが、首相候補として、将来を嘱望されていた。
実際に、首相候補は三角大福中と言われていたが、
これは三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の名前から
一部を借用してそう呼ばれていたが、この中で当時まで首相をやっていなかったのは
中曽根氏だけであった。
そういう中曽根氏を迎えたのは当時の中国トップの華国鋒首相であった。
華国鋒は当時、鄧小平との権力争いを続けており、最終的には敗北するが、
厳然と党主席という重責を担っていた大物であった。
この華国鋒首相は中曽根氏に何と言ったか?
日本の防空力を強化することを求めたのだ。
これはどういう文脈で出てきたのかというと、
日本では日米同盟があり、その中で中国の米中および日中が接近する。
その裏には中ソの対立がある。
だから現在では信じられないが、日米中三国同盟論などというものもあった。
その中で日本側からアメリカが空軍、日本が海軍、中国が陸軍を担当し、
お互いに集中的に増強することで、補完関係を作ろうとする構想であった。
それに対して意見を求められた華国鋒首相は
日本が海軍力を強化しても、空軍力がなければ意味がない。
そのためには防空力の強化が必要。
ということである。
確かに海軍力は空軍力に弱い。そのため日本が海軍力だけ強化することは意味がない。
日本はその弱点を補うため、防空力の強化に努めるべきである。
ということを中国の首相が日本に忠告しているのだ。
◎防衛費2%発言
我々は日本から侵略があるとは思っていない。
日本と闘わないことを参謀本部として正式に宣言する。
などと言い、日本側を喜ばせている。
「日本から侵略があるとは思っていない」
「日本と闘わないことを正式に宣言する」
これが中国の政府や軍のトップから公式に発言されている。
それが1980年のことである。
そして軍高官の伍修権氏はこう発言する。
日本の防衛費は少なすぎる。GNPの2%くらいでも問題ないだろう。
当時の日本は三木政権の政策により、防衛費の1%枠というものがあった。
これに対して、中国の高官から、「増やした方がいい」という発言が出たのだ。
タカ派の中曽根氏はホクホクだっただろう。
実はこう言った発言はアメリカの議員からも主張されていた。
例えば、パーシー議員は「1%は少なすぎる。」と発言していた
(1980年5月1日 朝日新聞2面)。
しかしさすがにこの発言は日本側の反発を招いた。
日本の外交当局は伍発言を捉えて、「内政干渉である」と反発した。
中曽根氏は「伍発言は私見である」として発言を擁護している。
◎大平首相の靖国参拝!
驚くことに、この中国の政治トップによる発言は
1980年4月末(新聞掲載は5月1日)に行われた。
この約10日前に大平首相の靖国参拝があったのだ。
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靖国参拝をすると中国人民を傷つける