韓国巨文島の人々
以前に筆者は、戦後韓国において反日感情はない、もしくは強くなかった。
戦後、李承晩政権の反日教育によって、反日感情が高まっていったと書いた。
今回は崔吉城(チェ・キルソン)氏の著書
『「親日」と「反日」の文化人類学』からその点を検討してみよう。 ※以下赤字は筆者
崔氏は1987年11月~1988年1月まで助手たちと手分けして
韓国全羅道の巨文島にある漁村で調査を行った。
この漁村は日本人が開拓し、終戦まで日本人と朝鮮人が共同で暮らしてきた村である。
つまり終戦から40年たって、当時の事を知る韓国人たちに実際に何があったのか?
を調査したのである。
◎日本への憎悪=愛国
詳しくは本書を読んでいただきたいが、なぜこのような調査をしたのかというと、
その反日感情の源泉を探ってみたい P106
という動機があった。
そして現状に対する認識として、
韓国人の反日感情と民族主義がどう対応するかに注目したい。 ~略~
つまり民族主義と反日感情は愛憎の表裏一体の構造である。
憎しみ自体は反倫理的な心理であるが、国を愛するということで正当化されるのである。
従って日本を憎むほど韓国を愛することになり、韓国を愛するほど日本を憎むのである。
P106~107
つまり韓国においては反日=愛国なのである。国を愛するには日本を肉しまなければならない。
事実「親日派」という言葉は韓国では「売国奴」の意味を持っている。
◎日本統治時代を知る人びと
崔氏と助手は当時の事を知る人々へインタビュー調査を行った。
その中で日本統治時代を知る人々の反応は概ね良いようであった。
~略~ インタビューに応じた大部分の人びとは日本人に対して肯定的なイメージを語ってくれる。
巨文島は日本人によって発展したということを始め、もっと長く居たらより発展したであろうという人もいる。
島のなかの隣人、雇用関係、友人関係などを通して日本人のイメージを創っているようである。
日本人は嘘をつかないし、信用でき、さらに合理的であるという。 ~略~ P121
何か、むず痒くなるような“べた褒め”である。
ここまで言われると
「いやいやそんなこともないですよ!随分迷惑かけたのではないですか?」
などと余計なことを言ってしまいそうになる。
しかし実際そうだったようである。
このインタビューの中には日本人を恨んでいる人もいる。
しかし概ね好評なのはむしろ朝鮮人に騙された人が多かったからである。
~略~ C氏は朝鮮で貯水池作りの現場監督をした。
当時朝鮮人が日本人をだましたことはあっても、日本人にだまされたことはなく、
むしろ韓国人にだまされたことがあると日本人の正直さを強調する。 ~略~
日本人には騙されなかったが、韓国人に騙された!
ありがちなことだ。
◎戦後生まれの人びと
日本統治時代を知っている人びとは概ね肯定的なのに対して、若者は反日的である。
これは冒頭で書いた「反日教育」の成果であろう。
しかしこの島の若者は反日的であると言われている。
経験者と非経験者、老人と若者の対照的反応がある。
戦後日本時代の親日派の処断と日本的な色彩を消す先鋒に立ったのも青年たちであった。
P121
しかし最近の若者は植民地の体験や経験もないのに反日感情が強いのはなぜであろうか。
~略~ それは特に戦後のナショナリズムが強い学校教育やマスコミなどによって
植民地をより悪く認識するようになったからであろう。 P123
つまり日本統治時代を経験している人びとは、日本人を肯定しており、戦後生まれの人びとは反日的である。
ここには体験や経験があったから反日意識が生まれたのではない。
もし本当に日本の統治時代が酷い時代であれば、こういた好意的な反応を見せることはないであろう。
日本人が韓国人を搾取したり、差別していれば反乱も起きるだろう。
筆者が以前から疑問だったのは、
「何で終戦時、韓国では反乱が起きなかったのか?」ということだった。
◎やはり要因は反日教育
結局、韓国の反日意識は反日教育から生まれた。李承晩政権の時の反日教育が要因となっている。
もちろんそのベースには中華思想に基づく、日本への蔑視思想があるにはあるが、強化されたのは反日教育からである。
その後、緩められたりしたかもしれないが、韓国の世論として「反日は国是」という風潮は残った。
そして韓国は「日本を差別する」という差別政策を推進していくのである。
人間は差別することが楽しい。
そして日本を蔑視すること差別することを娯楽化する。
それが韓国のやっている「日本蔑視教育=差別政策」なのである。
もっと簡単に言うと、
反日教育があったので、反日意識が生まれ、反日行動になっているのだ。
結局、日韓間の改善は韓国国民の行動に関わってくる。
韓国が反日教育をやめなければ、嫌韓が続くだろう。
そして反日教育をやめるのは、韓国自身が認識しなければならない。